• 暗譜に自信がない

    世の中には、どんな難しい曲でも簡単に覚えて弾ける人もいますが、(モーツァルトやリストなど、暗譜にまつわる逸話も有名です)そこまでの天才ではなくても、割と簡単に暗譜で弾けるタイプの人と、覚えるぞ!と意識しないと難しい人、さまざまだと感じています。

    この暗譜問題は、本番に向けたメンタルにもつながっていきます。多くのピアノコンクールでは暗譜で弾くことが必須になっていて、日頃からきちんと覚えて弾ければ本番でも落ち着いて弾けそうですが、暗譜に少しでも不安があると、本番前の緊張などはとんでもないことになってしまいます。ですので、暗譜が簡単にできるタイプではない人でも、できるだけ自信につながる暗譜をしたい。そうなると、暗譜ための練習、対策が必要になってきます。

    理想は、譜読みの段階から覚えようと意識して弾いていくこと。これは暗譜苦手さんの場合、とても効果的です。譜読み中だとなかなか難しい印象ですが、例えば準備期間が3ヶ月と決まっている場合、できるだけ早い段階で始めると、暗譜を意識している期間が事実上長くなりますよね。最後の一ヶ月で暗譜を意識するより、譜読み段階からなら三ヶ月、まさに3倍の期間あります。

    私のところにレッスンに来られている生徒さんで大人になってからピアノを始められた方はこの方法で練習されていて(逆に覚えないと弾けないと仰っておりますが)、発表会の頃には暗譜に全く問題が無くなっているお姿を実際に見ていますので、年齢もピアノ経験有無も関係なくできることなのかなと感じています。

    そして、暗譜の練習・対策とは。覚えた曲を通して弾けることも大切ですが、曲の途中から暗譜で弾けるかどうかの確認も大切です。細かく確認できればできるだけ、安心にもつながります。あとは左手だけでも暗譜で弾けるかどうか?…案外難しいのでやってみてください。

    それ以外にも暗譜の事故が起こったときの対策を先に考えておきます。繰り返しの多い曲ではループしたらどこにどう飛ぶか、どこから弾けば最後の場所にたどり着けるか、などなど。

    暗譜の事故は、お家で練習していても起こるかも知れません。本番が近くなって通して弾いている時に、暗譜を失敗したからと演奏を止めたり弾き直したりしないで、最後まで弾き続けようと頑張ってみることも立派な練習です。

    まさに失敗は成功のもと!と前向きに取り組んでみてください♪


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