• 毎日どうやって前向きに練習するの?

    ピアノという習い事は情操教育に良いだけでなく、小さいときからやっていると知能が高くなる、脳トレとして良いなどの研究結果が出たことから、世間でもベストな習い事として認識されるようになりました。

    一方でレッスンに通う理由もご家庭により、ピアノに興味があるからだけでなく、学校の授業で苦労しないように、あるいは脳トレのために、など様々であることから生徒さん本人と保護者の方のピアノに対する思いが一緒ではないケースもあります。

    ピアノ教室を始めてから、保護者の方に「うちの子が家で自分から練習しないのですが…」と相談されることが多々あり、そこで私もどうしたらみんなが、できるだけ前向きに練習できるのかな?と考えるようになりました。私の場合はピアノが仕事となっているので、自分の考え方や方法は極力除いて考えます。また、年齢的にあまり小さいお子さんの場合は毎日自分から、というのはかなり難しいと思いますので、小学生〜大人の方を対象としたお話になります。

    まず、スポーツ系の習い事なども同じかと思いますが、元々興味があって始めたものの、ある程度できるようになるまでは覚えることが多かったり、地道な作業、地道な基礎練習などが想像より多くて、「楽しい!」よりも「ちょっと大変だな」と思うことも多いでしょう。そこがまず一つ目の壁となり、ここを乗り越えて次の『ある程度のレベル』まで到達するためには、練習をおうちできちんとやることが必要です。お子様の場合、『ある程度』になるまでは、周囲の方にお声かけしていただきピアノに向かってもらうことが大切で、しばらくは自主的にピアノに向かうのは難しいものだと思っていただければと思います。

    ちなみに、私から強く「必ず毎日練習してね!!」と言わなくても、ちゃんと練習してくる小学生に「どうして毎日できるの?」と尋ねてみたことがあります。「毎日やらなきゃいけないことは(学校の宿題、塾の宿題、ピアノの練習)先にやっちゃった方が良いから。好きな遊びやゲームはあとの楽しみにとっておく。」と言っていました。なるほど、ピアノの練習を「毎日やるべき事」カテゴリーに入れているのですね。その子の年齢や性格、考え方によっては、「毎日やるべき事」に決めてしまえばすんなりできるケースもあるでしょう。ただ、やらなければいけない夏休みの宿題を先に終わらせるタイプか、後回しにするタイプか、と同じように、どのタイミングならやるべき事に取り掛かれるかは人それぞれです。日常のレベルで考えた時、朝やってしまった方が良いか、夕方か、夜か。どのタイミングで練習をするのが本人の性格に合っているか、も考えて計画を立てた方がうまくいくと思います。

    空いている時間にやる、といったあいまいな形で上手くいくケース、最初から誰にも言われなくても進んで練習できるケースは、かなり稀!です。

    さて、自主的に練習がなかなかできないけどどうにかしたい生徒さんの場合。最近私も衝撃を受けたニュースでしたが、脳科学者の方がおっしゃるのは、そもそも『やる気』は、何もしていない状態だと起きないのだそうです。

    『やる気は、やり始めてから出るもの。』多くの保護者の皆様はお子さんが自分からピアノの練習に向かってくれることを望むと思いますが、それは科学的にかなり難しいとご理解いただけるのでは無いでしょうか。それよりも、前述したように、日常のルーティーンにどのタイミングなら練習を入れられるかを考えて、決め事にしまうといった『練習をやり始められる環境作り』が大切です。弾き始めてしまえば、ここをもう一回弾いてみよう!とか、これをできるようにしよう!と前向きに練習できるかも知れません。

    ピアノ以外のことでも大人も子供も関係なく、日頃は自主的にできる人でさえ、今日はやる気が出ないな〜と思うことはあるでしょう。それでもどうしてもやらなければいけない時は、「やり始めればやる気が出るかも知れない、試しにほんの少しだけやってみよう!」と自分に言い聞かせて行動を起こしてみることをおすすめします♪


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